主に住宅の設計と監理の仕事をしています、浜田です。
自宅に事務所を構えて、一人でせっせと図面を書いています。
ネットワークのメンバーが持ち回りで、このブログに記事を書いていくことに
なりました。さて、私は何を書こう?
と考えて、最近竣工して引き渡した物件をご紹介しながら、自分流の家作りを考えてみたいと思いつきました。
おつきあいよろしくお願いします。
1)概要
建設場所
高知市内の典型的な下町。
住宅が建てこんだ密集地・準防火地域
南側は現在空き地。日当たり抜群。
しかし、いつまでもこのまま?
計画に当たっては、マンション・アパートが突然、南隣に出現してもいい
ように考えることから始めた。
家族構成
おばあちゃんと夫婦、孫と犬一匹
敷地坪数25坪の狭小な敷地に建つ2階建て木造住宅
1階床面積 48.41㎡
2階床面積 46.68㎡
延べ床面積 95.09㎡(約29坪)
この家のテーマ
『ローコスト・狭小住宅、下町の厳しい条件、高齢者と同居する住宅』
必要最小限の部屋数
無駄の無い敷地計画
を心がけたコンパクトな住宅
間取りの特徴
敷地は東西に長い、うなぎの寝床のような長方形。
道路は、敷地の東側。
敷地南側の細い路地を入ると、中庭と玄関がある。
玄関横が濡れ縁 濡れ縁の真ん中には植え込みが作ってあって、
ここに竹を植える予定。
外構工事が完成すれば、すらりと伸びた竹が2階にあるDLの窓前面に緑の葉 を見せて、家族の団欒に潤いをもたらしてくれる予定。
愛犬のための犬小屋は先代の形見の金木犀の横。
敷地の真ん中に玄関と中庭を取り、東棟と西棟に振り分けたのは、
密集地でも、採光と通風を取り入れられるようにしたため。
1階
玄関に入って、正面が2階に上がる階段と廊下
玄関前の廊下を挟んで東側にごく普通の夫婦寝室。
西側にはおばあちゃんの専用室、および、おばあちゃんのミニキッチン、
家族の脱衣室・トイレ、浴室。ただし、老人介護を第一に考えた構成。
2階
階段を上がって東側が子供部屋。約6畳の広さ。杉板仕上げの屋根裏見出し
小さいロフトあり。
階段西側は、約10畳のダイニング・リビング。家族団らんの部屋。
続いて、コンパクトなキッチンと食品庫兼用の家事室。
■地震等の配慮
1階に老人が暮らすので、耐震性能には特に注意を払った。
まず、地質調査とその結果に見合った地盤改良。耐震壁の壁量と配置。
充分な基礎の配筋、構造材のサイズ、補強金物。
主要な部屋の内壁には、家具固定用の構造合板を通常の内装下地に重ねて
入れた。
■最後に
いつも思うのは、建物に現れる設計者の個性。
優柔不断でまとまりの無い部分は私のせい、といつも思う。(笑)
しかし、現れるのは設計者の個性だけ?
似たような敷地でも施主が変われば、結果も千差万別。
施主の要望やライフスタイルをお聞きし、共に考えれば、施主の個性も
建物に一緒に反映されるはず。
竣工後、末永く暮らすのは施主とその御家族。できあがった建物は
あくまでも施主のもの。であるなら施主の個性が髣髴とし、施主が
「自分で考えた家です。」 と思っていただけるとしたら とても有難い。
■写真はスタディ模型
紙製なのでふにゃふにゃなのはご愛嬌、ご勘弁を。
ボリュームとか、家の形とか、お隣との関係とかチェックする為の模型です。
追伸:もちろん地場の杉をふんだんに使った「木の家」です。
□浜田健蔵建築事務所/浜田宏
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